割引キャッシュフロー法(DCF法)
1株当りのキャッシュフローが1年目100円。2年目から10%ずつキャッシュフローの成長が見込まれる企業があります。この場合の企業価値を考えます。
割引率を15%とすると、1年目、2年目・・・のキャッシュフローを現在価値に割り引きます。これを合計するわけです。
では、割引率はどのように考えたらよいのでしょうか。割引率は企業を買収するためのコストと考えることができます。
左図は貸借対照表です。貸借対照表の右側は企業の資金の調達形態です。企業の資金調達は負債と資本に分かれます。
負債利子率と株主が要求するROEの加重平均をWACC(ワック)と呼びこれが、前記の割引率になります。
一方キャッシュフローはどう考えるか。キャッシュフローは企業が本業で生み出す利益と考え、営業利益+減価償却費で計算し、EBITDA(イービットディーエー)と言います。 また過去のキャッシュフローの推移から成長率を予測します。
今度は話を少し大きくします。ある企業を500億円で買収する計画があります。1年目、2年目、3年目のキャッシュフローが100億円が期待でき、3年目にこの企業を220億円で売却できる見込みとします。WACCを15%で計算します。
このケースでは3年間のキャッシュインフローの合計額は520億円。それに対して初期投資は500億円なので一見プラスに見えます。
しかし現在価値に対して投資額が上回っているため、現在価値以上の投資(割高な投資)したことになります。ところが、割引率WACCを1.64%にすると
このように投資額と割引現在価値を一致させる割引率を内部収益率(IRR)と呼びます。
(IRRはパソコンのEXCELでないと計算できません。)
ここでこれまで出た用語をまとめると
- 将来のキャッシュフローを割引率(この場合はWACC)で割り引いたものを割引現在価値、PV(プレゼントバリュー)と呼びます。
- キャッシュフローは営業利益+減価償却費で計算され、これをEBITDA(イービットディーエー)と言います。
- 割引率のWACC(ワック)は利子率と要求ROEの加重平均で計算されます。
- 投資額とPVの差額をNPV(ネットプレゼントバリュー)と言います。
NPV = PV − 投資額
- NPVがゼロになる割引率を内部収益率:IRR(アイアールアール)と呼びます。
NPVがプラス(投資額が割り引き現在価値より小さい)の投資は企業価値を高め、NPVがマイナスの場合(投資額がPVより大きい)は企業価値を減少させます。
むずかしい事はさておいて、DCF法で買収価格を考えると
- 将来のキャッシュフローが大きいほど、つまり将来見込まれるEBITDA(営業利益+減価償却費)が大きいほど買収価格は高くなります。
- 将来のキャッシュフローの成長率が高いほど買収価格は高くなります。
- WACCが小さいほど、つまり借入の調達金利が低いか株主の要求ROEが低いほど買収価格が高くなります。
- 株主の要求ROEが高いと言うことは、買収者は買収価格を低くして安く買収する必要があります。
- NPVがマイナスとなるような買収価格は、買収側の企業価値を低下させます。
- 最後に最も重要なことは、「何のための買収か。」ということです。買収の目的がはっきりしない買収は買収側の企業価値を低下させます。
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全部完全に覚えることはありませんが、日経新聞や経済雑誌によく出てくるので「あー、こんなことか。」と思えればで良しとしましょう。
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