医薬品業界の分析・研究開発

新薬開発から発売後までの一般的な流れは、次のようになっております。
(以下の情報は「日本製薬工業協会」ホームページ内のデータを参照しています)

新薬開発から発売後までの一般的な流れ

日本では、薬の「候補」となる新規物質が発見されてから、それが新薬として誕生するまでに要する期間は9〜17年。また創薬の最初のステップである「基礎研究」の段階で発見された薬の「候補」がその後、新薬として認められる確率は19,817分の1であり、その一つの新薬を開発するための費用は約500億円ともいわれております。

医薬品業界は(前回紹介した)薬価改定や、薬の特許切れ問題(次回以降で紹介します)などがあるため、新薬の開発は必要不可欠といえます。しかしながら新薬の開発は費用負担も大きく、かつ新薬が完成する確率も低いため、ハイリスクな事業形態を持つ業界といえます。(通常、新薬の利益率は高いので、新薬が完成すればハイリターンでもあります。)

下記では主要企業の業績発表済み直近決算期時点での研究開発費をまとめてみます。

○ 医薬品大手・中堅12社の研究開発費(公表済み直近決算期実績・前年同期比較)
銘柄コード 銘柄名 2009年3月期
第3四半期累計
研究開発費(※)
前年同期比 売上高比率
4536 参天製薬 151億円 55.0% 19.4%
4508 田辺三菱製薬 539億円 33.9% 16.6%
4502 武田薬品工業 2,141億円 25.8% 17.8%
4503 アステラス製薬 1,157億円 25.0% 15.2%
4523 エーザイ 1,169億円 17.4% 19.5%
4535 大正製薬 214億円 14.2% 10.7%
4506 大日本住友製薬 383億円 13.3% 19.0%
4568 第一三共 1,292億円 10.4% 20.6%
4528 小野薬品工業 276億円 1.2% 26.5%
4519 中外製薬 532億円 -1.9% 16.3%
4507 塩野義製薬 301億円 -2.1% 18.3%
4530 久光製薬 70億円 -17.3% 7.5%

(※)中外製薬は2008年12月通期累計、久光製薬は2009年2月期 第3四半期累計。
また、ここでの研究開発費には仕掛かり研究開発費は含んでおりません。

医薬品業界において研究開発費は拡大傾向にありますが、前年同期比で見てみると各社異なる推移となっております。景気の不安定な時期でも研究開発費を前期よりも増額できる企業が目立つ状況は、他業種からすると羨ましいところかもしれません。

次回は薬の特許切れ問題などを見てみたいと思います。

Copyright(C) 2009 MARUSAN-SEC. All rights reserved.