ストキャスティクスとは
ストキャスティクスは、%K、%D、スロー%Dの3つの線で構成されており、買われ過ぎ、売られ過ぎを示すオシレーター系チャートの一つです。計算期間の中で、現在の株価がどの水準に位置しているのかを示します。
<図1>日経平均株価のストキャスティクス(日足)

ストキャスティクスのポイントや考え方
ストキャスティクスの算出式
- %K =(直近の終値 ー 期間中の最安値)÷(期間中の最高値 ー 期間中の最安値)
- %D = %Kの3日間の単純平均
- スロー%D = %Dの3日間の単純平均
%Kの算出に用いる一般的な期間
5日、9日、14日
買われすぎ、売られすぎの目安
- 買われすぎ・・・上限の100%に近づくほど(80%が目安)
- 売られすぎ・・・下限の0%に近づくほど(20%が目安)
%Kの考え方

%Kは、期間中の安値500円と期間中の高値1,000円の間のどこに位置しているのかを示しており、今回のケースでは高値と安値のちょうど半分の50%に位置しています。
ストキャスティクスを使った売買方法
(1)%D と 20%ライン、80%ラインを使った売買方法
- 買い:%Dが20%ラインを上抜け
- 売り:%Dが80%ラインを下抜け
- 損切り:%Dが20%ラインを上抜け後、80%に到達せず20%を下抜けた場合
<図2>大和ハウス(1925)

この方法では、売買回数が多くなる傾向があることから短期投資向きと考えられます。
(2)%K と %D のクロスによる売買方法
- 買い:20%以下で%Kが%Dを上抜け(ゴールデンクロス)
- 売り:80%以上で%Kが%Dを下抜け(デッドクロス)
- 損切り:20%以下でゴールデンクロス後、80%に到達せずデッドクロスした場合
<図3>アドバンテスト(6857)

(3)%D と スロー%D のクロスによる売買方法
- 買い:20%以下で%Dがスロー%Dを上抜け(ゴールデンクロス)
- 売り:80%以上で%Dがスロー%Dを下抜け(デッドクロス)
- 損切り:20%以下でゴールデンクロス後、80%に到達せずデッドクロスした場合
<図4>協和キリン(4151)

(1)、(2)の売買手法に比べ、(3)%Dとスロー%Dのクロスはより長い期間の線を使っているため、シグナルの回数が少なくダマシも少なくなります。
また、ストキャスティクスは一定の範囲内で動く持ち合い相場には有効ですが、上昇トレンドで高値を更新し続ける場合は「ストキャスティクスが買われすぎの水準で推移」しやすく、下降トレンドで安値を更新し続ける場合は「ストキャスティクスが売られすぎの水準で推移」しやすい習性があります。そのため、(1)~(3)のいずれの売買手法でも短期的には「売ったら上がる、買ったら下がる」となる傾向があります。