信用評価損益率とは

信用評価損益率
信用買い建玉を保有している投資家が平均的にみてどれくらいの含み損益になっているのかを表す指標です。原則、毎週水曜日に東京証券取引所が公表する「2市場(東京と名古屋)の信用取引残高」を用いて算出されます。
投資家は、「利益が出ているとすぐに利益確定し、損失が出ていると上がるまで待つ」という投資行動をとる傾向があるため、通常はマイナスで推移します。
信用評価損益率の見方
先述の通り、原則、毎週水曜日に東京証券取引所が発表している「2市場(東京と名古屋)の信用取引残高」をもとに以下の式で算出されます。
信用評価損益率の計算式
信用評価損益率 = 評価損益額 ÷ 買い建玉の信用建玉残高× 100
株式市場の売買の多くを信用取引が占めています。また、その内訳は「売り」よりも「買い」の方が多くなっており、信用評価損益率は、相場の状況を反映するバロメータの一つとして使われています。平時は「-10%」くらいで推移しており、このような時にはあまり役立ちません。しかし、「-20%を下回ったり、0%近づく(もしくは上回る)」など、一定の水準に達した時に何らかの変化が起こりやすくなります。
信用評価損益率 | 意味 |
---|---|
-20%以下となった場合 |
売られ過ぎを示唆し、チャートの谷と重なることが多い。 |
0%に近づいたもしくは上回った場合 |
買われすぎを示唆し、チャートの山と重なることが多い。 |
信用評価損益率とTOPIX
【図1】TOPIXと信用評価損益率の推移(信用評価率が上昇したケース)

2000年からの信用評価損益率とTOPIXのチャートで、-5%以上はオレンジ色、-20%以下は青色に着色しています。図1で色が塗られた部分(紫色)を見てみると、信用評価損益率とチャートの山が概ね一致しています。
【図2】TOPIXと信用評価損益率の推移(信用評価率が下落したケース)

一方、信用評価損益率が-20%を下回ったところのうち、25%以下となったところ(茶色の部分)を見ると、チャートの谷と概ね一致しています。
なお、信用評価損益率が算出された1980年1月以降最も低い数値は、リーマンショック直後の2008年10月第4週の-39.64%となっています。