REIT(リート)とは

REIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)
多くの投資家から集めた資金を不動産に投資し、賃貸収入や売買益を投資家へ分配する投資信託です。不動産に直接投資する場合、多額の資金が必要で売買にも時間がかかりますが、REIT(以下、リート)は比較的少額から投資することが可能で、株式と同じように市場で売買することができます。
なお、国内取引所に上場するリートは「J-REIT(以下、Jリート)」と呼ばれています。
リートの運用や投資のイメージは下図1のようになります。
【図1】リートの運用や投資のイメージ図

リートの特徴
リートの主な特徴として下記のようなものが挙げられます。
【表1】リートの主な特徴
比較的少額から投資が可能 | 通常、投資用マンション等を購入するには1,000万円を超える資金が必要ですが、Jリートは数万円から投資することができます。 |
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株式と同じように売買できる | Jリートは証券取引所に上場しており、株式と同様に日々売買することができます。売買代金の受渡も株と同じ3営業日目で、換金性にも優れています。 |
比較的高い利回りが期待できる | リートは税法上、利益の90%以上を分配することで「法人税が免除」されます。 利益の大部分を分配するため、株式などと比べて高い利回りが期待できます。 |
値上がり益に期待ができる | Jリートの売買は株式と同じオークション方式で行われます。買いが集まれば高くなり、売りが集まれば安くなるので、値上がり益を狙うこともできます。 |
リスク分散の効果が期待できる | リートは、数件から数百件の不動産を運用、多くのテナント(入居者)から賃料を受け取り、その賃料を分配しています。そのため、通常の不動産投資よりもリスク分散の効果が期待できます。 |
投資する際のポイント、留意事項
Jリートに投資する際のポイントや留意事項として、下記のものが挙げられます。
1.予想分配金利回り
前述の通り、利益の90%以上を分配するため、株式などと比べて高い利回りが期待できます。2020年4月8日現在、東証1部上場全銘柄の予想配当利回りが2.34%に対し、Jリート63銘柄の予想分配金利回りは6.05%になっています(※予想利回りは東証1部上場全銘柄、Jリート63銘柄ともに単純平均)。
利回りの高さが大きな魅力ですが、一方で「分配金は将来に亘って保証されたものではない」ということに注意しなくてはいけません。
テナントからの賃料が基本的な分配の原資となるため、テナントの撤退等が増えれば減配のリスクは高まります。また、ホテル系リートに多いのですが、銘柄によっては「変動賃料(歩合賃料)の比率が高い」ものもあります。稼働状況によって減配のリスクが高まります。
【ご参考】東証リート指数と分配利回りの推移

Quickデータより通信販売部作成
2.NAV倍率
株式投資に用いられる「PBR」に相当する指標で、1倍を上回るほど割高、1倍を下回るほど割安と判断されます。
NAV(純資産価値)とNAV倍率の算出式
NAV(純資産価値)= REITの保有不動産の時価 - 借入金や投資法人債などの負債
NAV倍率 = REIT価格 ÷ 1口あたりのNAV
【ご参考】東証リート指数とNAV倍率の推移

Quickデータより通信販売部作成
3.スポンサー
リートは「借入金」で物件取得する場合が多く、借り換え時には資金を再調達する必要があります。そのため、スポンサーの信用力が重要と言えます。
Jリートの保有不動産種別、銘柄一覧
最後にJリートの銘柄一覧(2020年4月8日現在、63銘柄)と保有不動産種別をご紹介します。
【ご参考】Jリート保有不動産種別

※取得金額ベース
出所:不動産証券化協会